私は製造業の現場に長年勤務しており様々な人を教えてきました。人というのは十人十色、なるべくその人にあった教え方をし、中にはなかなか仕事を覚えてくれない方や、日本語も片言で英語も日本人よりも知らない外国の方を懇切丁寧に教えてきました。
技術的な仕事を覚えるには長い年月がかかりますが、加工や組み立て、検査、運搬などの仕事はすぐにできるようになります。
ここでは、現場の仕事をメインに52歳で未経験・無資格でも工場へ転職できるのかを解説していきます。
工場の仕事とはどんな業務なのか
工場の仕事は、自動車部品だけではなく、家電・医療・食品・繊維、その他の工業と多岐にわたります。私の場合は、勤めていた会社が廃業したりなど様々な形態の製造業へ転職していた経験もあり、現場の仕事については、基本仕事の流れはどこの形態も同じです。
では、具体的に工場の現場の仕事について解説をしていきます。
①運搬
②製造ライン工程(機械オペレーター・加工・組付けなど)
③検査ライン工程
④出荷
①運搬とは、フォークリフトやハンドリフトなどの器具を使用して材料を製造ラインまで搬入していきます。
②製造ライン工程とは、材料を加工や組付けを行い、製品を作っていきます。加工は機械操作で行い、組付けは手作業で行うのが一般的です。完成した物を完成品といいますが、検査に通してないので本当の完成品ではありません。
③検査ライン工程とは、前工程の完成品を検査します。検査方法もいろいろとあり、外観検査や精度を測るために治具を使用するなどチェックを行っていき、良品と不良品と分けていき良品を箱に詰めていきます。
④出荷とは、前工程の箱詰めしたものを梱包作業をして、荷造りをし受け入れ先まで運搬をします。荷造りは基本、パレットの上に段積みをしてヒモでしばり、フォークリフトかハンドリフトなどで運搬します。
②製造ライン工程については製品によってさまざまな工程がありますが、上記の工程が一般的な流れになります。
資格を取得する必要はあるのか
工場の仕事は無資格でもできますが、何か資格を持っていれば転職をする際に自分を売り出すことができその分、就職に有利になり、かつ仕事の選択肢も広がります。
そこで、工場で役に立つ資格4選を紹介していきます。
フォークリフト
工場・物流センターなどで、よくみかけるフォークリフトです。この資格はとても人気がある資格で製造現場の仕事に携わっていない人でも欲しいというぐらい人気があります。
中小の工場関係なくフォークリフトがなければ仕事になりません、それだけ需要が高い資格といえます。
フォークリフトの資格の取得方法は下記をご覧ください。
玉掛け・クレーン
玉掛けとは、建設現場にてクレーン操縦士が鉄骨をつり上げて、その操縦士に合図を送って鉄骨を移動させている職人さんのことをいいます。危険が伴う仕事ですので資格は必須となります。
また、建設現場だけではなく工場でも玉掛けの仕事はあります。私が玉掛けの資格を取りにいったときは、林業の方などあらゆる職種の方たちがおり異業種交流会みたいで楽しかったです。
玉掛けの資格の取得方法は下記をご覧ください。
一方、クレーンとは物品を動力を用いてつり上げ、これを水平に運搬することを目的とする機械装置です。重量物を取り扱うことになり、労働災害を防ぐため資格は必須となります。
工場で使用する場合、天井クレーン(ホイスト式)の使用頻度が多く、玉掛けとクレーンとの1人作業になるので、2つセットで資格を取得するのが一般的です。
クレーンの資格の取得方法は下記をご覧ください。
アーク溶接
アーク溶接とは、「アーク放電」という電気現象を利用し、金属を溶かして接合する溶接法です。
製造業では、数ある溶接の種類の中で「アーク溶接」の需要は高く、講習を受ければ簡単に資格を取得することができます。
私の知人で工場勤務の方で、「アークの資格を持っている人いない?」と声がかかるほどです。
アーク溶接の資格の取得方法は下記をご覧ください。
工場・製造業の年収はどれくらい稼げるのか?
工場・製造業の平均月収は約32万円、年収は384万です。また、全体の平均月収は約30万円、年収は、360万円であることからも平均年収より少し高めであることがわかります。
工場の仕事は、決して稼げない業種ではありません。
※厚生労働省の資料「令和2年賃金構造基本統計調査の概況」から抜粋した資料です。昨今、物価上昇により賃金引き上げが予想されます。あくまで目安としてご参考ください。(令和5年3月)
代表的な製造業の形態別の年収の目安を挙げてみます。
ただし、これらはあくまで目安であり、職種や経験年数、会社の規模や業績によっても大きく異なることがあります。
52歳から工場の転職は体力的に大丈夫?
転職先の工場の仕事内容や勤務時間によって異なりますが、年齢や体力面でいえば一般的に52歳からの工場の仕事は大丈夫といえます。現にシルバーさんもよく働きます。しかし工場の仕事は体力をつかい、かつ夜勤もある場合もあるので、転職する際に担当者に相談したほうが無難です。
それと、上記に解説したとおり工場の仕事はいろんな職種・形態があり、その職種によっては体力的に負担が大きい仕事があります。例えば、重量物を取り扱う仕事や立ち仕事で一日中同じ作業をしたりなど、全く工場の経験がない方ですとイメージしかできないので、転職をする際に担当者へ仕事内容や労働条件などをよく相談し、自分に合った職種を選ぶことが大切です。
どうしても体力的に心配という方は、事前に医師に相談することをおすすめします。
52歳で工場の仕事はどこで探せばいいのか?
①ハローワーク
ハローワークは、国の公共職業安定所で、全国の各地に出張所があります。求人情報の掲載や就職支援、職業訓練などを行っており、製造業の求人情報も多く掲載されていますが、地域によっては製造業の求人数にバラツキがあります。
②人材派遣会社
人材派遣会社に登録することで、工場の仕事の求人情報を受け取ることができます。人材派遣会社に登録すると、自分の希望やスキルに合った仕事の紹介が受けらますし、派遣先の会社から正社員になられた方も実際にいます。
③インターネットの求人サイト
インターネット上には多数の求人サイトがあり、その中には工場の仕事の求人情報を扱っているものもあります。有名な求人サイトとしては、マイナビ、リクルート、転職エージェント、DODAなどがあります。
まとめ
52歳からの無資格・未経験の工場の転職は、体力に自信があれば勤めることができます。プラスαで工場関連の資格があれば尚良。
仕事を探す際には、ハローワークはベタですが、ハローワークは苦手という方は人材派遣会社の登録やインターネットの求人サイトがおすすめです。あくまで個人の見解ですが仕事探しの相談はハローワークよりも、人材派遣会社や求人サイトの担当者の方のほうが親身なって応じてくれるかと思います。